トップページ もっとみる 種類別に知る、ウールのプロKLIPPANが厳選したサステナブルWOOL
種類別に知る、ウールのプロKLIPPANが厳選したサステナブルWOOL

ウールの紡績業からはじまった1879年の創業以来、ウールを見る眼、選ぶ眼を代々養い続け、卓越した技術力を培ってきました。
140年以上築き上げてきた牧羊農家や仲卸業者との信頼関係と地球環境や生き物の健康を無視しないクリッパンだからこそ、 牧羊農家までたどれる安心安全のウール製品をお届けできるのです。
動物たちの飼育環境へも一切の妥協せず、有害物質は不使用、ミュールシングフリーのウールです。
その貴重なクリッパンのウールの特徴を種類別に別にご紹介します。

ECO LAMB WOOL  エコラムウール
農薬や化学物質を使わずに飼育された健康的な羊のウール

牧草に殺虫剤といった化学薬品を使用せず、ミュールシングをしないなど、動物福祉であるアニマルウェルフェアに準じて、ニュージーランド南部やバンクス半島で飼育された6-7ヶ月の子羊から刈り取ったやわらかな羊毛。2007年当時、バンクス半島の一部の牧羊農家のみで小規模に取り組まれていたサステナブルなウール生産は従来の概念を覆すものでした。彼らと同じ志を共有する先として代々信頼関係を構築してきた仲買人がクリッパンへ紹介し、子どもたちがつかうベビーブランケットから採用を決めました。他とは一線を引くこのウールの価値を広く伝えるために、2008年に「エコウール」と名付けました。今や南島部にもその規模は拡大し、エコウールをつかったラインナップを拡大しています。ニュージーランド産のウールは染色しやすい際立つ白さと部位ごとに細かく仕分けされた徹底的な品質管理が特徴。牧羊農家まで辿れるトレーサビリティとともに、地球や人、動物たちの健康にも配慮して生産されています。

GOTLAND WOOL  ゴットランドウール
シルクのような光沢となめらかな肌触りが人気のウール  

「スウェーデンのウールを」という声にこたえ、2018年にクリッパンが採用した初のスウェーデン産ウールです。スウェーデン最大の島ゴットランド島に約5万頭、スウェーデン本土に約10万頭のみ生息するゴットランド羊は、全世界で飼育される約10億頭のうちわずか0.01%に該当する貴重な羊。バイキング時代から生息し、暮らしの中で親しまれてきました。油分を豊富に含んだ巻き毛や美しい光沢、使うほどに柔らかになる質感が特長です。

SWEDISH WOOL  スウェディッシュウール
職人により選りすぐられたスウェーデンのローカルウール  

長い間、スウェーデン産ウールは生産の多くが廃棄されていました(2020年の廃棄量は生産量の約54%で輸入は生産量の倍以上)。その原因はスウェーデンの牧羊農家が飼育する羊の数は平均18頭と小規模のため、原毛の収集・分類による安定した品質と供給、販売までの仕組みが整っていなかったことにあります。この状況を改善するため国をあげた取り組みが始まり、「The Swedish Wool Initiative」プロジェクトにクリッパンは参加。4代目会長であるヨスタが理事へ就任しました。クリッパンでは2020年に4トン、翌年には40トンのスウェディッシュウール(ゴットランドウールを含む)を仕入れ、自国のウールをつかい魅力的なスローを織り上げることで貢献しています。

RECYCLED WOOL  リサイクルウール
サステナブルなモノづくりが生んだウール       

クリッパンでは原毛の紡績から染色、織り、最終製品までを一貫して自社工場で製造しています。その工程で発生した残糸や紡毛を集めて新しいウールを混紡したのがリサイクルウールです。リサイクルウールは繊維が短いため、繊維の長い新しいウールを加えることでスローの耐久性を高めます。デザインのコントラストを際立たせるために、新しいウールの比率は、デザインによって50%と75%があります。

MERINO WOOL  メリノウール
上質なあたたかさをもたらす最高峰のウール  

メリノ種の羊から取れる最高峰のウール。細く柔らかな毛質のため、軽さや肌触りの良さが特長です。クリッパンでは南米産(アルゼンチン・ウルグアイ)の貴重なメリノ種のミュールシングフリーウールを採用しています。長い繊維を均一に梳いて紡がれる梳毛糸のため、しなやかな耐久性と光沢を併せ持つ高品質なメリノウールです。2023年秋から紡績過程で使えなくなったメリノウールを集めたメリノリサイクルウールを50%混紡した100%メリノウールのスローもデビューします。

Cashmere  カシミヤ
サステナブル認証「Good Cashmere Standard」のカシミヤだけを採用 

カシミヤ山羊からとれる原毛は世界の動物繊維の生産量のわずか0.1%。その中でもクリッパンはサステナブルな生産環境で生み出されたことを証明する「Good Cashmere Standard」を取得したカシミヤだけを使用しています。カシミヤヤギの健康はもちろん、農場で働く人々の労働環境、生産過程における環境負荷の削減、高いトレーサビリティなど、いくつもの基準を満たすことで初めて認められるサステナブルな素材です。カシミヤは等級1から等級9までのランク分けがされていて、ランクが高いほど繊維は細くなり、より上質な柔らかさや滑らかさを生み出します。
クリッパンが使用するカシミヤ繊維は約15.5マイクロメートル、これは2等級レベルに該当し、カシ ミヤの中でも上質な素材を使用していることが分かります。

*リサイクルウール以外のウール商品はニューウールであり、ウールマークカンパニーによる一定の基準をクリアした品質のウールのみが付与できるウールマーク認証を取得しています。

KLIPPANを支えるスウェーデンのパートナー

クリッパンのゴットランドウール・スウェディッシュウールを語るうえで欠かせないのが羊たちを愛するCalleとCharlotteという心強い仲間です。
Calleはウールの毛刈りの元スウェーデンチャンピオン!牧羊農家を営みながら国内仲卸のしくみづくりへも尽力しています。ウールと誠実に向きあうその姿勢や高い技術力、ウールの品質を見極める眼にはクリッパンも一目置いています。
スウェディッシュウールのプロジェクトは開発途上で、まだまだ品質のばらつきやウールの分量の確保が難しいのが現状です。クリッパンが良質なスローの生産を伸ばせているのは、牧羊農家の紹介から羊毛の調達もサポートしてくれる彼らのサポートと信頼関係のおかげです。

CalleとCharlotteの農場の様子はコチラ

出典:Textile Exchange Preferred Fiber & Materials Market Report 2022 (2022,Textile Exchange)