素材や技のオリジナリティ、それがあるだけで毎日がちょっと豊かになる。 今の時代にあった新しいジャパニズムをこの夏、取り入れてみませんか?
菊花線香
化学成分や着色料を使わない、ナチュラルな虫よけアイテム『菊花線香』
りんねしゃの飯尾純市さん
蚊取り線香が日本で発売されたのは1890年(大日本除虫菊)。天然の除虫菊(ピレトリン)を使っていましたが、第二次世界大戦後、大量消費に対応するために、殺虫効果が高い合成ピレスロイドが使用されるようになりました。
りんねしゃ代表の飯尾純市さんは、このケミカル成分を含んだ蚊取り線香を使い、頭痛に悩まされていたことから、除虫菊を主成分にした虫よけ製品の開発に着手。日本には除虫菊を栽培する農家がほとんどなく、かって日本人から除虫菊の栽培を伝授された中国の農家と契約してりんねしゃの除虫菊栽培がスタート、初収穫は1997年のこと。
そして2001年に『菊花線香』の販売をスタートさせます。現在、りんねしゃは北海道に自社農場を構え、日本で栽培が激減状況にあった「除虫菊」と「ハッカ」の栽培を開始。環境汚染と人体への影響を考え、無農薬栽培を徹底しています。
除け商品は様々ありますが、世に多くある防虫剤や防虫スプレーの危険性を指摘している国もあります。そんな中、「菊花線香」は、飯尾さんの思いとともに、100年後の未来にも届けたい商品です。
香遣
Made in 墨田区。日本の技術と手仕事によって実現した「香遣/かやり」は、プロダクトデザイナー小泉誠さんのデザインによるもの。
小泉 誠 1990年 KoizumiStudio
設立。2003年にはデザインを伝える場として「こいずみ道具店」を開設。建築から箸置きまで生活に関わる全てのデザインに関わり、現在は日本全国のものづくりの現場を駆け回り地域との恊働を続けている。 |
2018年1月「松屋銀座デザインコレクション」に選定されました! デザインコレクションとは・・・ |
戦後日本の発展を支えた工業技術
昌栄工業の昌林幸一さん(アルミ本体の制作)
東京墨田区に根をおろして3代目。
既存の概念にとらわれない、柔軟な発想と技術を持ち、戦後より発展し続けている昌栄工業。
「金型製造技術」や「複合技術」などを極め、「1 枚の鉄板からドアノブをつくる」という、世界で数社しか作れない技術力の高い製品を製造。低コストで生産できる新興国の台頭という厳しい時代の流れにも負けず、職人の技と知恵で丁寧な商品を作り続け、たくさんの人に愛される商品を生み出しています。
香遣の本体と取っ手の金属の選定をすることで加工しやすさを追求したり、蓋に加工した3つのくぼみのアイディアは、金型職人である昌林幸一さんによるものです。
東京の伝統工芸士が創るラタン(籐巻き)の技
おみねらたんの小峰正孝さん(取っ手の藤巻き
東京スカイツリー真下に工房を構える籐工芸の小峰ラタン。
「籐=
ラタン」は熱帯・亜熱帯に分布するヤシ科のつる性植物。軽くて強靱・通気性に富む優れた天然素材です。
しかし、茎や葉に無数のトゲがあるうえ、ジャングルの様々な樹木に絡まって成長するため、採取するだけでも重労働です。さらに日本への輸入が困難になってきている希少価値の高い素材でもあります。
工房では、小峰正孝さんが伝統技術・技法を駆使し、使い勝手の良い丈夫な製品を作り続けています。
「籐がゆるんだらどうすればよいか」という質問に「きちんとした技術で巻いているのでゆるみません」と、心強い応えが返ってくるのも、私たちが信頼をおく理由です。