「山のてっぺん 海暮らし」第4回
私が選んだ照明 キッチン、ダイニング、リビングルーム
イサム・ノグチの大きなAKARI ゆ〜らゆ〜ら
ポール・へニングセン(ルイスポールセン)のちいさな灯り
私が選びました。
イサム・ノグチのAKARI、ルイスポールセンのペンダントライト
夫の話が多くて恐縮ですが、夫は敬愛するバックミンスター・フラー&サダオ、イサム・ノグチスタジオの存在もあってボストンのハーバード大学院に進んだと言っていました。
そしてそこでアルバイト、イサムさんが構想を伝え、それをデザインする仕事をしていたそうです。
その当時のボス、建築家ショウジ・サダオさん(モントリオール万博のアメリカ館ジオデジックドームの設計者)ご夫妻とはずっと親しくおつきあいが続いていました。
夫も大好きだったAKARI、少しの風でほんのすこうしゆ〜らゆ〜ら、外が暗くなると、窓に映り込んで大きなお月さまが揺れます。
天国にいるなつかしいひとたちを思い、私のこころにもほんのりあかりが灯ります。
暗くなると月明りのように照明が浮かぶ
アイランドキッチンの上にはポール・へニングセンのペンダントを選びました。
このシリーズの中での最小、この小ささ、主張しすぎずにモダン、かわいいなぁ、と飯倉のAXISにあるルイスポールセンのショールームで即決しました。
ヘニングセンは第二次世界大戦中、ドイツに占領されたデンマークからスウェーデンに亡命したと聞きました。デンマークが占領されていたのは知りませんでした。イサムノグチもヘニングセンも、今日に至るまで色褪せることないタイムレスデザインを残したという点では共通していますね。
キッチンの風景
家の照明は、インテリアの要素のどんなことより雰囲気をつくりだしますよね。
谷崎潤一郎は「陰翳礼賛」を著しましたが、その陰翳も光があってのもの。
実は谷崎はどこかで自分は明るいのが好きだと言っていたそうです。
日本では部屋全体を明るくする照明が好きな人が多いですが(戦争中に灯火管制があったからでは?と私は考えています)、室内に陰翳がある暮らしが私は好きで、ほとんどの照明には調光機能をつけてもらいました。
照明についてはまた話させてください。
髙橋Suzuki百合子