トップページ もっとみる 【新連載】日々のこと 第6回
【新連載】日々のこと 第6回

野球場で修業した夏

hibinokoto

ここ数日だいぶ過ごしやすい気候になりましたが、皆様いかがお過ごしですか?
今年の夏は例年にもまして猛烈に暑かったですね。
今回は私の夏の思い出を。

分かりやすく今年の春から野球に目覚めた私。四月からせっせと野球場に通う野球ファンビギナーです。
かの有名な「Take Me Out to the Ball Game(私を野球に連れてって)」の牧歌的なメロディのイメージで、野球観戦は老若男女が楽しむのどかなレジャーだと思っておりましたが・・・

夏場の野球場は修行の場でした。
とにかく、暑い、暑い、暑い。
私の場合は野外球場での観戦が多いのですが、容赦ない太陽光線と紫外線にジリジリと焼かれても滝汗を拭きながらジッと我慢の子なのです。この修行に耐えてこそ真の野球ファンの仲間入りができるに違いない(きっと違う)。
野外フェスやコンサート、その他忍耐を要するヲタク活動やイベント経験もあったので夏場の野外球場を軽く考えていましたが、野球ファンすごい・・猛者すぎる、と毎回そのタフネスぶりに衝撃を受けます(おじさん達は暑さをものともせずビール飲みながらご機嫌に試合解説、外野はぴょんぴょんはねたり歌ったり)。

今でも忘れられないのが6/17のハマスタ。土曜日14:00の試合開始です。雲一つない澄んだ青空の下、まだ6月なのに真昼の強烈な日光で焼かれた椅子はアチアチになっており、入口でもらった選手のでかい顔入りTシャツ(よくわからないのですが、野球チームは気前よく無料でモノをくれる時がある)を敷かねば座れぬレベル。
日陰はどこにもみあたらず、太陽光線に当たってる全身がジリジリ焼けてるのを実感する焼き豚状態。
でも、試合前練習も見たいんです。灼熱の中でも大砲を構えて粛々と撮影にいそしむお姉さんたちの頼もしい姿とみかん氷(かき氷に缶詰のみかんをのせたもので、どうやらハマスタの名物らしい。味は美味しいです。)に励まされながら練習見学すること小一時間。
この時点で「この暑さはやばいやつだ・・」という危惧はマックスになっていましたが、ゲームが始まって3回の裏、事件は起こりました。斜め後ろのおじさんが熱中症でダウン、いきなり周囲がてんやわんやムードになり、私も右往左往。おじさんは無事救護室に運ばれ、処置がされたようだったので少しホッとしましたが、事件が解決した後、スコアボードみたらなぜか6-0に(もちろん負けている)。私があわわ!あわわ!してる間に誰かがホームラン打って(そういや確かに花火の音はしてた)3点も入っていたらしいです。現地にいながら全く知らなかった!というか、切実にそれどころじゃなかったよ。
事件発生に自軍の惨敗、そして6月の凶悪な日光と紫外線をたっぷり浴びまくり心身ともにダメージ一杯のはずなのですが、チアガールのお姉さんが踊ったり花火が上がったりする試合後の催しと、しんどかったこともワイワイ食べたり飲んだりで「楽しかった!!」に上書きする魔法の中華街・野毛補正で危うく『楽しかった初夏の一日(マル)』みたいにまとまりかけましたが、しかし非常な実感を持って思うのです。

やはり近年の暑さは異常である、と。
老若男女が楽しめるはずの休日の球場は特に年配の方やキッズには命の危険地帯でしたし、甲子園で暑さで足がつってしまった球児の姿も記憶に新しく。
このままどんどん温暖化が進んで行ったら今の子供やこれから生まれてくる子が大人・老人になるころにはどうなるのか。
小さなことでも、とにかく何か行動しなきゃならんのではないか、とヒシヒシ、ヒシヒシ感じました。
球場での修行を経て(未だ真の野球ファンへの道のりは長そうですが)、改めて地球温暖化問題に「小さなことでも、出来る事からアクションせねば。」と決意を新たにした、私の令和5年の夏です。

BM担当 土田




>>>トップページに戻る
>>>「読むeマガジン」一覧へ