トップページ もっとみる e.oct×weMORIコラボ連載企画 第3回 2021/08/06 森林を守るためにできる個人のアクション

森林減少の現状とその原因は?

こんにちは、weMORI日本代表の伊藤聡士ことスッピーです。

e.octとweMORIのコラボ連載企画は、毎月一回の連載です。森にまつわる問題を知っていただき、森を守るためにできることを考えるきっかけつくりを目指しています。3回目の今回は、森林を守るために個人でできることについて考えます。


1.商品の選択に気をつける

企業や国がやらなければならないことはたくさんありますが、先ずは足元から。
消費者としてできることをするのはとても大切だと思います。自戒をこめてなんですけれども、日々の買い物で知らず知らずのうちに森林を壊してしまっている場合が多々あるので、気を付けることは大事です。例えば、パーム油を使っているポテトチップスやチョコレートといったスナック菓子、露天掘りによって掘り出された自動車などに使われる銅、携帯電話に使われるレアメタル、森を切り開き生産された肉などは、知らないうちに消費しています。気をつけられるのであれば、こうした森を壊して得られた原料を使った商品をなるべく選ばないことが大切です。
ではどのように判断したらよいかというと、認証を受けた商品を選択することが方法の一つだと思います。認証制度というのはもちろん完璧ではないんですが、例えば木材であれば、FSC、PEFCといった森林認証制度があって、環境・経済・社会の側面から熱帯林に限らない森林の「適切な管理が行われているか」を評価して認証を与える制度になります。そうした認証をとっている商品を選ぶというのは必要なことだと思います。

e.oct×weMORIコラボ連載企画 第3回 2021/08/06 森林を守るためにできる個人のアクション

ただ認証制度は不完全なものであるという認識を持っておくことも重要です。お金を払える大企業が取得に有利ですが、実質お金を払えば実態は異なっていても認証されてしまうことがあったり、本当にサステナブルな漁業や林業を営む小規模な事業者が取得できなかったりといった問題もあります。
あまり見かける機会はまだないかもしれませんが、アグロフォレストリーを用いたコーヒーや蜂蜜などの食品を選択することも良いことだと思います。

アグロフォレストリーとは森林農法といい、農業を営みながら森林を再生させていく農法のことです。単一の作物を植えるのではなく、複数の作物を植えます。例えばコショウと果樹を同時に植え、コショウが枯れたときには果物がとれ森林が再生するといった具合です。この方法で農家は結果的に多くの収益を得るし、森林が再生します。

e.oct×weMORIコラボ連載企画 第3回 2021/08/06 森林を守るためにできる個人のアクション

2.植林事業や熱帯林の再生事業に参加する

植林事業や熱帯林の再生事業に参加するという、熱帯林を直接的に保全する活動があります。企業としては、NPOなどと連携して伐採が進んでしまった地域での植林活動を行ったり、その植林でできた木材を商品の原材料として使ったりといった活動があります。実際に熱帯林まで出向いて植林作業に関わるのは難しいと思いますが、活動している団体に寄付をすることで植林や熱帯林を守る活動に間接的に関わることもできます。

日本ではアブラヤシのプランテーション畑の増加などで減少しているインドネシアの熱帯林を保全する団体があります。more trees では植林活動、ボルネオ保全トラストジャパン では熱帯林の一部を購入して保全しています。

そしてまさしく、私たちの団体「weMORI」を通じて植林や熱帯林保全のため寄付ができます!



3.森林の保全地域を増やす

森林の伐採が進んでしまわないように予防する方法として、今はまだ伐採されていない森林のある地域を保全地域にするという方法があります。その中の一つの方法に、ナショナルトラスト運動があります。土地を買い取ってその場所をしっかり組織的に保全するという活動です。ナショナルトラストや国立公園への指定などによって、法的にしっかりと保全されることが肝心です。トラスト運動をしているNPOと連携して、トラスト活動に参加することで、このような保全地域を増やす活動に貢献できます。
こちらもまさしく、私たちの団体「weMORI」を通じて保全地域拡大のため寄付ができます!
今回は森林を守るためにできるアクションを簡潔に紹介させていただきました。
私たちの団体「weMORI」で植林や保全地域を増やすための寄付ができるとご紹介しましたが、次回はよりその部分を詳しく、weMORIでできる森林保全と再生の活動についてお伝えします。
それではまた次回お会いしましょう!




すっぴー Profile
伊藤 聡士(すっぴー)

weMORI日本代表。1993年生まれ。
小学生の頃、近所の自然が消滅し大好きな昆虫観察ができなくなったことをきっかけに森林伐採問題をはじめとする環境問題に興味を持った。
問題解決を目指しSNSでの発信活動を行っている。大学院ではIPCCの報告に寄与する研究所に所属。
東京大学大学院卒。環境学修士。

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weMORIとは?

今の世界では、自然環境の「劣化」が「再生」を遥かに上回っています。このまま自然を破壊し続けては文明、幸福を維持できなくなってしまいます。
weMORIは「再生」が「劣化」を上回る「再生社会」の実現を目指す、日本生まれの国際非営利団体です。
「簡単なアクション」と「コラボレーション」を通じて、世界中のコミュニティを動員し、具体的な森林保全活動を進めていきます。


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【e.oct×weMORIコラボ連載企画一覧はこちら】
・第1回:森林の凄さ、なぜ大切なのか?
・第2回:森林減少の現状とその原因
・第3回:森林を守るためにできる個人のアクション
・第4回:weMORIの森林保全と再生の活動について